米航空防衛大手RTX(旧レイセオン・テクノロジーズ)は、欧州エアバス機向けエンジンに不具合が見つかり、大規模点検を行うと発表した。米メディアによると、点検のため2026年まで年平均約350機のエアバス機が運航停止になる可能性がある。

対象は傘下企業が製造した航空機エンジン600~700基で、エアバス製「A320neo」に搭載されている。欧米メディアによると、部品に亀裂が生じる恐れがあるという。

ANAホールディングスは運航する機体の1割強にあたる33機が点検対象になると明らかにしたが、当面の運航に影響はないと説明している。日本航空には対象の機体はないという。

エンジンの開発に参画するIHIは業績に影響が出るとの見通しを発表した。金額は算定次第としたが、SMBC日興証券は、IHIの関連費用は8・8億ドル(約1300億円)に達する可能性があると指摘した。開発に関わる川崎重工業や三菱重工業にも負担が発生する恐れがある。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230913-OYT1T50182/