生焼けの魚を食べた米国女性、手足を切断処置…「ビブリオ・バルニフィカス」に要注意(ハンギョレ新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/9348dcb26f9e92ab612c33a08f982fd3970f6994

米国で40代の女性が生焼けの魚を食べ、ビブリオ・バルニフィカスに感染し敗血症を患い手足を切断するという事件が発生した。保健当局は、魚介類は十分に火を通して食べ、皮膚に傷がある場合は海水の接触に注意するよう呼びかけている。

18日(現地時間)、米国の経済メディア「INSIDER」は、米カリフォルニア州サンノゼに住むローラ・バラハスさん(40)が、地元の市場で魚を購入し、自宅で料理をして食べた後、ビブリオ・バルニフィカス感染症と診断されたと報じた。1カ月以上入院して死闘を繰り広げたバラハスさんは13日、両腕と両足をすべて切断する手術を受けた。

バラハスさんの友人はオンラインの募金サイト「Go Fund Me」にバラハスさんの状況を載せ「彼女は魚を食べるという単純な行動が自分の人生を完全に変えてしまうとは夢にも思っていなかった。彼女は生き延びるために手足をすべて切断しなければならなかった」と伝えた。バラハスさんの友人は、地元メディアにも「彼女はほぼ命を失うところだった。手指・足指だけでなく下唇もどす黒くなった。腎臓にも問題があった」と語った。

ビブリオ・バルニフィカス感染症は、ビブリオ・バルニフィカスという菌に汚染された魚介類を生や充分に火を通さず食べることで発生する疾患。また、傷のある皮膚が汚染された海水に触れて発生することもある。ビブリオ・バルニフィカスに感染すると、急性発熱、悪寒、血圧低下、腹痛、嘔吐、下痢などの症状が現れる。ほとんどが症状が発生した後、24時間以内に皮膚病変が現れる。皮膚病変は発疹、浮腫から始まり、水ぶくれができた後、次第に範囲が広くなり壊死性の病変に進行する。致死率は50%前後に達する。バラハスさんもビブリオ・バルニフィカスに汚染された魚を生焼けの状態で食べ、菌に感染したものと推定される。

これに先立ち、米国疾病予防管理センター(CDC)は1日、海面の温度上昇が原因で、ビブリオ・バルニフィカス感染症の発生が増加していると注意を呼びかけた。米国では毎年約150〜200件のビブリオ・バルニフィカスの感染事例が報告されている。米メディア「FOX 26 ヒューストン」は、先月29日にテキサス州ガルベストンのあるレストランでビブリオ・バルニフィカスに汚染された生牡蠣を食べた30代の男性が死亡したと、11日付で報じた。この男性は基礎疾患を患っていたという。

韓国でも6月15日、今年初のビブリオ・バルニフィカス感染症患者が発生した。国内でビブリオ・バルニフィカス感染症は毎年5〜6月に発生し始め、8〜9月に最も多く発生する。昨年はビブリオ・バルニフィカスに感染した患者が46人発生し、このうち18人が死亡。ビブリオ・バルニフィカス感染症は、肝臓疾患、糖尿病などの慢性疾患者やアルコール依存者、副腎皮質ホルモン剤や抗がん剤服用者、悪性腫瘍・再生不良性貧血・白血病患者、臓器移植患者、免疫不全患者など基礎疾患のある高危険群で主に発生する。

韓国疾病管理庁は、魚介類の管理・調理時のビブリオ・バルニフィカス感染予防規則を以下のように案内している。

(1)魚介類は5度以下で低温保管
(2)魚介類は85度以上で加熱処理。貝類は殻が開いてからさらに5分間煮て、蒸気で蒸す場合は9分以上さらに調理する
(3)魚介類を調理する際、海水を使わず流れる水道水できれいに洗う
(4)魚介類を調理したまな板、包丁などは必ず消毒後に使用
(5)魚介類を扱うときは手袋を着用

チョ・ユニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)