【ニューヨーク=寺口亮一】米ニューヨーク州南部地区の連邦地検は22日、民主党のロバート・メネンデス上院外交委員長(69)を収賄罪などで連邦大陪審が起訴したと発表した。エジプト政府や実業家らに便宜を図る見返りに、現金や高級車など計数十万ドル相当の賄賂を受け取っていたという。

 重鎮議員の起訴は来年の大統領選を控え、民主党の痛手になる可能性もある。妻のナディーン氏(56)と、贈賄側としてエジプト系を含む知人の実業家3人も起訴された。

 起訴状によると、メネンデス氏は2018~22年、米政府の対エジプト軍事支援やカイロの米大使館の職員構成に関する非公開情報などをエジプト政府高官に伝えたり、実業家に対する米当局の捜査に介入しようとしたりした。

 自宅の捜索で、洋服やクローゼットに隠された約48万ドル(約7100万円)超の現金や金の延べ棒が見つかった。現金が入った封筒からは、贈賄側の指紋やDNAが検出されたという。

 メネンデス氏は声明で、「検察は、議会の業務を間違って解釈している」と起訴事実を否定した。同日、外交委員長職を辞任したが、議員辞職は否定した。

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