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電子書籍の貸し出し伸び悩み コロナ禍で導入の公立図書館、PRに力

公立図書館がインターネット上で電子書籍を貸し出すサービスの利用が伸び悩んでいる。新型コロナウイルス禍を機に藤岡市などが導入し、今年に入って群馬県と前橋市も始めたものの普及が課題となっている。パソコンやスマートフォンから開館時間外にも利用できるなどの利便性があり、各自治体が周知に取り組んでいる。

 県は昨年度の一般会計当初予算に770万円を計上し、専門書や学術書の電子書籍約1000冊が閲覧できるサービスを今年1月に始めた。紙の本では書き込みや特定の人の占有を避けるために選書から外れていた、資格試験のための参考書や問題集もそろえた。

 月に1000回ほどのアクセス数を目標の目安としていたが、8月末までの8カ月間で計4000回にとどまる。春からPRに力を入れており、利用方法を記したビラを作り、窓口などで配布している。本年度も予算697万円を充て、約1000冊増やすという。
3月に導入した前橋市は、約2万6600冊が利用できる。1日に20~30人が計50冊ほど借りるが、紙の本は分館を含む全18館で1日計5000冊ほどの貸し出しがある。担当者は「まだ利用が少ないので、メリットを伝えていきたい」と話す。

 藤岡市は2020年12月、他の自治体に先駆けて始めた。小学校で1人1台のタブレット端末が支給されたこともあり、児童書の利用は活発だという。ただ、昨年度の貸出冊数は21年度から1248冊減の1万4384冊だった。

 このほか、みどり、富岡両市も導入している