>>197
当プロジェクトの目的は、日本が近代国家として明治時代に行った最初の戦争である日清戦争から昭和期のアジア太平洋戦争まで、日本軍は様々な戦争において一貫して一般市民を非人道的に取り扱ってきたことを明らかにすることで、上記のような誤った歴史観を正すことにおかれた。同時に、日本軍が占領地域の一般住民に対して犯したい くつかの主要なケースを年代順に追跡する形で分析することによって、日本軍の軍暴力が有していた固有の諸特徴を浮かび上がらせることが目的に置かれた。さらにまた、なにゆえに近代日本軍はその創設当初から市民に対する 暴力性という性格を帯びていたのか、という問いを追求する形で、歴史事実の再検討を行うことが当研究の重要な課題の一つとされた。