国内のサイトで、画像生成AIで作られたとみられる児童の性的画像が大量に出回っている。欧米では警戒が強まっているが、日本では議論が進んでいない。「児童ポルノ」を巡っては、日本が「輸出国」になっているとして過去に国際的な批判を浴びた経緯があり、専門家から対策を求める声が上がる。

「法律で禁止されていないのなら、削除するつもりはない」。AIによるとみられる児童の性的画像が多数投稿されているサイトを運営する大阪府吹田市のIT企業の男性社長(45)は10月、取材に淡々と話した。

 社長によると、サイトは2018年9月に開設。当初は別会社がイラストの投稿サイトとして運営し、1年後に運営を引き継いだ際はユーザー数は3000人程度しかいなかった。今年5月、「AIイラスト(画像)を応援します」とSNSで発信すると、ユーザーは30倍超の10万人に増えた。

 サイト上では、裸の児童の画像があふれ、幼児が性的なポーズを取る画像もある。投稿には<とてもかわいい>など、海外からとみられる英語のコメントがついている。

 サイトには有料会員向けページがあり、画像を販売することが可能で、同社には販売額の10%が手数料として入る。サイトの運営は長年赤字だったが、5月以降は黒字に転換したという。

 社長は複数の会社を経営しており、「ビジネスとして運営している。海外からのアクセスもあるが、利益は月数十万円程度で大もうけしているわけではない」と説明。「あまりに露骨なものは削除しているが、こうした画像が好きな人もいる。いつまでも続けられると思わないが、規制されるまではやめない」と話した。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20231112-OYT1T50002/