「日本は社会主義であり、中国は資本主義である」。中国の現地生産を拡大している繊維メーカーの社長の方から伺った話である。当初、ご発言の趣旨が分らなかった私も、お話しを聞くにつけ、「なるほど」と納得してしまった。かの社長の言い分をまとめると、

中国では、1,000億元にのぼるベンチャーキャピタルが存在するとともに、IT企業の集中する地区(北京市中関村)では毎年1,000社ずつ企業家(entrepreneur)が誕生1、「商才とやる気さえあれば社会の上層にあがれる」という意識が徹底している、
日本では、開業率より廃業率が上回るとともに、所得を再分配するための保護行政が残存、「努力しても大きな差は生じない」という意識が蔓延し始めている、
上昇志向のある者が報われるシステムを持つ中国は資本主義、全ての人を平等に扱うシステムを持つ日本は社会主義である、

https://www2.boj.or.jp/archive/announcements/press/koen_2002/ko0201a.htm