トランプ氏、対中関税を検討 大統領就任なら一律60%


【ワシントン=共同】米紙ワシントン・ポスト電子版は27日、トランプ前大統領が、再選した場合に中国からの輸入品に対して一律60%の関税を課すことを検討していると報じた。前大統領は大統領選で、共和党の最有力候補者となっている。返り咲けば米中対立が深まり、世界経済に打撃を与える可能性がある。

前大統領は在任中の2018年、中国の知的財産権侵害を問題視し、中国からの輸入品の一部に制裁関税を発動。米側の制裁関税は4回に及び、中国も報復関税で対抗し貿易摩擦が激化した。

その後、中国による米国産農産品の輸入拡大などを柱とする合意に達したものの、経済規模世界1位と2位の大国による対立は世界経済の足かせとなった。

新たな関税は国内産業の保護と、政府の税収増を目的としている。高関税は米国内の事業者の負担増や物価高につながる可能性もあり、共和党内でも米国と世界経済の大きな混乱につながると懸念する見方もある。

前大統領は中国への強硬姿勢を示しており、世界貿易機関(WTO)の規定に基づいて関税を低く抑える「最恵国待遇」の見直しも検討しているとされる。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB280JG0Y4A120C2000000/