ウクライナ、軍トップ解任決定を米に伝達 ゼレンスキー氏と「不仲」

米紙ワシントン・ポストは2日、ウクライナ政府が、ゼレンスキー大統領によるザルジニー軍総司令官の解任の決定を米ホワイトハウスに伝達したと報じた。ザルジニー氏はウクライナ国民からの人気が高く軍部隊の信頼も厚いが、ゼレンスキー氏との確執が伝えられていた。

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 報道によると、ホワイトハウス側は解任決定について支持も反対もせず、ゼレンスキー氏の判断だとの認識を示したという。詳しい解任時期は不明としている。ザルジニー氏が実際に解任されれば、ロシアの侵攻が続くウクライナの軍部隊の士気が低下しかねない。軍トップの交代が戦況に影響を与える恐れもあり、ウクライナ側は最大の後ろ盾である米国に対して事前通告したとみられている。

 ザルジニー氏は2023年11月に英誌のインタビューで、対ロシアの反転攻勢について「戦況が行き詰まった」と明かした。ゼレンスキー氏はこの発言を否定。一方で、翌月にゼレンスキー氏が「軍が約50万人の追加動員を提案した」と述べると、ザルジニー氏が要請の事実に異論を唱えていた。両者の発言の食い違いなどから、不仲説が報じられていた。

 英紙フィナンシャル・タイムズによると、ゼレンスキー氏は1月29日にザルジニー氏と面会。国防関連の顧問への転任を打診した。ザルジニー氏はこの提案を拒否したとされるが、ゼレンスキー氏は軍総司令官の解任方針に変更はないと明言したという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d9dd95e6bcf066331292b84ad4d29827f9b2960c