https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240130/k10014340461000.html
上川外相 外交演説 “法の支配や人間の尊厳守られる世界に”
上川外務大臣は衆参両院の本会議で外交演説を行い、ロシアによるウクライナ侵攻などを踏まえ、「法の支配」や「人間の尊厳」が守られる世界を実現するための外交を推進していくと訴えました。
演説の冒頭、上川外務大臣は「ロシアによるウクライナ侵略によって国際秩序が重大な挑戦にさらされている」と指摘しました。
そのうえで「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化し、『人間の尊厳』が守られる安全・安心な世界を実現するための外交を推進していく」と訴えました。
そして、今月、ウクライナを訪問したことに触れ「力による一方的な現状変更を決して認めてはならない」として、ロシアへの制裁とウクライナ支援を強力に進めるとともに、2月、東京で開催する日ウクライナ経済復興推進会議に向けて調整を加速する考えを示しました。
中東情勢については、パレスチナのガザ地区の人道状況の改善に取り組むとともに、イスラエルとパレスチナ国家が共存する「2国家解決」の実現に向け、積極的に貢献していく方針を示しました。
また、日米同盟は外交・安全保障の基軸だとして、抑止力と対処力の一層の強化に取り組むとしています。さらに「自由で開かれたインド太平洋=FOIP」の実現を最優先課題の1つに掲げ、同盟国や同志国などと連携し、協力を広げるとしています。
一方、中国との関係では「戦略的互恵関係」を包括的に推進するとともに、建設的かつ安定的な関係を双方の努力で構築することが重要だとしています。
また、台湾海峡の平和と安定も重要だと指摘しています。
核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対しては、ロシアとの軍事協力に深刻な懸念を示しつつ、日米韓3か国をはじめ、国際社会で緊密に連携して対応していくとしています。
このほか、紛争の予防や和平に女性が主体的に参画することが重要だとする「WPS」の取り組みを推進していく考えも示しました。