[新連載]アジア出稼ぎ日本人 ラーメン店経営で年収3000万円超え

・この記事の3つのポイント
日本を飛び出した職人たちが収入を大きく増やしている
海外に出るために手に職をつけるという選択をする人も
日本でしっかり磨いたスキルは海の向こうで高く売れる

成長を続けるアジア太平洋地域に飛び出していく日本人。円安で日本の賃金の魅力は低下し、日本企業は国内外の働き手によって選別される存在になる。
人材大流動時代を、あなたとあなたの会社がどう生きるのかを問う新連載。第1回は、確かな知識と技を生かし、海外で活躍する日本の職人たちを紹介する。

オーストラリア・シドニーのシンボル、オペラハウスの対岸にあるビジネス街で、日本人が営む一軒のラーメン屋が人気を博している。
「Sou Ramen Lab(ソウラーメンラボ)」。多民族国家の豪州で、多くの人に食べてもらえるラーメンを「研究する」という意味を込めた。
ネット上の口コミ評価は5点満点中の4.8点とすこぶる高く、「ベジタリアン向けのメニューもあった」などと感謝のコメントが並ぶ。
共同経営者の1人で店長の関川岳志さん(41)は奈良県出身。関西の日本料理店や首都圏のラーメン店で修業した。
ラーメン店勤務当時の年収は約400万円。28歳の時、「いつか経験したい」と夢見ていたワーキングホリデー(ワーホリ)で初めて渡豪した。

◆ 「しばらくはここで働きたい」
英語を学ぶ傍ら、経験を生かして現地のラーメン店で働き始めた。時給は15豪ドル(当時のレートで約1200円)。
ビザ(査証)の期限を迎えて帰国したが、現地のなじみ客から「いつ帰ってくるんだ」「一緒に店を出さないか」と持ちかけられた。
自分を必要としてくれる人がいることがうれしかった。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00342/013100161/?n_cid=nbpnb_mled_enew


シドニーでラーメン店を経営する関川岳志さん。人々が気軽に入店できる雰囲気づくりを心掛けている(写真・本人提供)
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