昨年9月、JR東京駅近くのビル建設現場で鉄骨の梁(はり)が落下し、作業員5人が死傷した事故で、施工した大林組(本社・東京)が警視庁に対し、現場の鉄骨の重量計算にミスがあったという趣旨の説明をしていたことが11日、捜査関係者への取材で分かった。梁を支える土台への負担が過重になって事故が起きた可能性があり、警視庁捜査1課は業務上過失致死傷容疑で調べている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2ee5e889bde09e06d6f6dc1ef8d2e9033372636a

事故は昨年9月19日、東京都中央区八重洲のビル建設現場の7階付近で発生。工事は大林組と大成建設の共同企業体(JV)が請け負っていた。

クレーンでつり上げていた鉄骨の梁を別の梁にボルトで仮設置する作業中、重さ計約50トンの鉄骨5本が7階部分から約20メートル下の3階床部分に崩落。2次下請けの男性5人が巻き込まれ、2人が死亡、3人が重傷を負うなどした。

これまでの警視庁の調べで、梁を支える土台「支保工(しほこう)」の強度が不足していた可能性があることが分かっている。捜査関係者によると、工事に当たり、大林組の担当社員が行った鉄骨の重さの計算にミスがあり、支保工に想定以上の重さが加わったことで事故に至った可能性があるという。

社内では計算を複数人で行ったり、確認したりする態勢がなかったとの情報もあり、捜査1課は安全管理責任者らへの聴取を進めている。