さて、デジタルの時代になった今
電子書籍ではどうでしょう。

漫画家
編集者
配信取次会社
配信会社

これだけで読者の元に漫画が届けられます。
漫画家が原稿に直接写植を打てるようになり
印刷をすることもなく、データを送るだけ。
では、出版社の役割はどう変わったのか…

編集部と出版社の役割を分けるとすれば
配信会社に配信を許諾して、漫画家から貰ったデータを
配信会社に横流しするだけ

ザックリですが、やることほとんどなくなったわけです。
漫画取次会社的なこともやってるところはありますが…
紙にはしない、電子書籍のみの場合です。
この一見なにもしてない出版社の電子書籍での取り分はどうでしょう。
それは漫画家は知らされてません。
ただ、電子書籍での漫画家の印税率は15%~20%という状況。
紙の印税率よりもちょっとだけ高いくらい。
むしろ20%貰えてる人は少ないんじゃないでしょうか。
こんだけ関わる人減ってるのに
漫画家のパーセンテージ、低くない?
そう疑問に思ったのは小学館から出ていく決意を固めた時。
時は電子書籍の黎明期でした。
ここからは、わたしの経験も踏まえて語っていきますが
すべての権利を引き上げるという段階でも揉めたのですが
電子書籍の権利だけは残してほしいと言われました。
ですが、お断りをして、当時出版社を通して
取引していた電子書籍の配信元に
これからは出版社を通さず、直接取り引きして
代わりに配信料を上げてほしいと交渉しました。
このことを知った小学館が配信元の会社に圧力をかけました。

「そうやって作家と直接取り引きするなら
うちからいっさい漫画を配信させないぞ」と…

その当時は出版社が流してくれる漫画作品がなければ配信ができず
配信元というのはとても弱い立場でした。
今や立場が逆転して、配信元が配信してくれなければ
売り上げに繋がらない状況で
出版社が頭を下げて「どうぞこの作品を電子書籍にしてください」
とお願いする状況です。
その時の配信元は参ってしまい
出版社から出た漫画家なんだから、特例ですという形で
直接取り引きができるように動いていただけました。
時が過ぎ、出版社が電子書籍での印税率を取りすぎてると
気がつく作家も増えましたが
どんなに交渉しても

「他の作家もこの率だから。この契約がひな形だから」

と印税率を変えません。
出版社が莫大に印税率を搾取してるという構図です。

こうなってくるともはや中間搾取企業です。