アメリカ人の父と日本人の母のミックスルーツを持つタレント副島淳さん(39)が10日、岐阜県大垣市で講演し、容姿の違いから小学校時代に受けた壮絶ないじめ体験を語った。

講演後の質疑応答では、市内の小学校でいじめに苦しむ11歳の少年が涙ながらに「逃げるのも怖い」と打ち明け、副島さんは家族や家が支えになるとした上で「つらい気持ちをこれだけの大人の前で言えた君は、絶対に強い」と激励。帰り際に会場の外で少年の姿を見つけると「自信を持って」と言葉をかけ、笑顔でハグした。

副島さんは「ちがいを楽しむ」と題して講演。東京都内で母親、祖母と3人で暮らした幼少期を「貧しかったけど幸せで、僕は明るくておしゃべりで、お調子者だった」と振り返り、生い立ちや当時の様子をユーモアたっぷりに語って会場を盛り上げた。

しかし4年生の途中で千葉県内の小学校に転入すると「副島少年のラッキータイムは完全に終わりを告げた」。教室で自己紹介する副島さんを見た同級生は「何の反応もなく、グループごとにひそひそ話をして、目も合わせてくれなかった」。仲良くなりたいと話しかけても無視される日が続き、次第に気力を失い、教室の隅で1人で過ごすようになったという。

そして「心が折れるのを待っていたかのように、今度は一斉に攻撃が始まった」。副島さんは生まれつき肌が黒く、髪質は天然パーマだったことから「なんでそんなに肌が汚ねえんだ」「髪の毛が臭くて気持ち悪い」などと心ない言葉をぶつけられた。ある時は同級生からトイレの床に倒され、「汚れをとってやる」と洗剤をかけられ、ブラシでこすられたという。

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