沖縄県警沖縄署で令和4年1月、大勢の若者が押し寄せて一部が暴徒化した事件で、県が破壊行為に関わった少年らとその保護者ら38人に対し、警察車両の修理費用など計400万円超の損害賠償を求める訴えを起こす方針を固めた。そもそも治安が保たれた日本でなぜ、警察署が襲撃される事態に至ったのか。

「高校生が警察に警棒で殴られた」。SNS(交流サイト)で相次いだ投稿に端を発し、4年1月27日深夜から28日未明に沖縄署に若者ら約400人が集まった。怒号と石が飛び交い、庁舎や車の窓ガラスなどが破壊される異常事態。現場の動画を配信して集結や襲撃を呼びかける者もおり、暴力団組員の男が暴力行為等処罰法違反(集団的器物損壊)容疑で逮捕されたほか共謀した少年らも書類送検された。

きっかけは同27日午前1時すぎ、沖縄市内の住宅街で男性巡査(当時)が行った職務質問だった。車1台がやっと通れるほどの狭い路地。暴走族を警戒していた巡査が、向かってくるバイクに向かって警棒を差し出し、このとき巡査の警棒と男子高校生(当時)の右目付近が接触した。高校生は右目の眼球を破裂する大けがを負った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8ed23e261e215e4ee4c2b2db7befce038598aaf8