信州大理学部は、ヒトや他の生き物の「排せつ」をテーマにしたシンポジウム「出すことと出たものへのまなざし」を松本市の信大で開いた=写真。普段は避けられがちな「うんち」や「トイレ」といったテーマについて、日々追究している研究者4人が発表。パネル討論もあり、オンラインを含む約120人が聞いた。

 京都大(京都市)研究員の林耕次さんは公衆衛生の観点からカメルーンの狩猟採集民族が普段排せつする場所を調査。「森」が57%で、「トイレ」の35%を上回ったとし「政府機関などがトイレ設置に取り組んでいるが、利用が進まない」と指摘。排せつ物を肥料にするなど「トイレの使用に価値を見いだすことで、利用が増えるのでは」と述べた。

 ゴリラの研究で知られる総合地球環境学研究所(同)所長の山極寿一さんも講演し、パネル討論に登壇。参加者からは「ゴリラとチンパンジーのうんちは、どっちが嫌ですか」との質問があり、山極さんは「ゴリラのふんは乾いていて、手に取っても大丈夫。チンパンジーの方はねっとりして臭く、ちょっと嫌だなと思う」と答え、笑いを誘っていた。

「ゴリラとチンパンジーのうんち、どっちが嫌?」 生き物の排せつテーマにシンポジウム 松本市の信州大学
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