若者の半数が読めない?「常陸」ブランド化の盲点

「常陸牛」「常陸乃国いせ海老」……。茨城県が「常陸○○」の名で高級食材を売り出す中、ブランド化に思わぬ壁があった。読み方だ。
全国の20~30代の半数程度が「常陸」を読めないという調査結果が明らかになった。

「常陸」は茨城の旧国名。由来は諸説あり、713年編さんの「常陸国風土記」では、一つの道が続く「直通(ひたみち)」と、
ヤマトタケルが巡行した際に袖を浸したため「ひたす」から「ひたち」に転じた二つの由来が書かれている。

では、なぜ「常陸」の表記なのか。茨城の歴史に詳しいかすみがうら市歴史博物館の千葉隆司館長は「理由はわかっていないんですよね」と明かし、
「当たり前のことは資料が残りにくく、地名の字も資料が少なくて研究が難しい」という。

では漢字の「常陸」への親しみは――。ネットでは常陸と合わせて「読み方」が頻繁に検索され、
県が全国の20~60代に調査した結果、20代の約6割、30代の約4割、40~50代も3割超が読めず、

「つねりく」「ときわ」などと読んだ。県販売流通課の担当者は「茨城にいると自然に読めるようになる。
『読めないのでは』という声も聞いていたが、そんなわけないと思っていた。
自分の常識を疑い、調査して驚いた」という。
https://mainichi.jp/articles/20240225/k00/00m/040/203000c