卵がピーク時の半値に 1年耐えた洋食店歓喜も…トマト高騰で「プラスマイナスゼロ」

 卵の高騰がピークを打ち価格が急落する一方で、トマトが値上がりしています。両方の材料を扱う洋食店が頭を悩ませています。

■高値続いた卵 半値に値下がり 要因は?


「(去年は)買うのをためらってた」


「だいぶ前から比べると、安くなったので助かる。夫が(卵が)大好きで、ゆで卵にしておくと本当に喜んで食べてるので」

 去年、歴史的な高値が続いた卵。都内のスーパーでは、ピーク時と比べておよそ100円近くも値下がりしています。

スーパーイズミ 五味衛社長
「ずっと高かった。卵の相場じゃないくらい(価格が)いっちゃった。非常に売れ行き良くて、(去年の)倍以上は売れてます」

 去年4月に統計開始以来、最高値となる1キロ350円を記録。その後、少しずつ価格は下落し、先月はピーク時のほぼ半値となる180円になりました。200円を下回ったのは、1年10カ月ぶりのことです。

元東京農業大学教授 信岡誠治さん
「(値下がりの)一番の要因は鳥インフルエンザ。昨シーズンに比べて大幅に少なく、卵の需給に大きな影響を及ぼしていない。卵は少し余り気味という状況がある」

 昨シーズン、鳥インフルエンザは過去最多でしたが、今シーズンは去年の10分の1に抑えられているため、供給量が安定しています。

 さらに、去年の卵不足により、飲食店が卵を使うメニューを減らしたのが戻りきっていないため、需要が減少。在庫が余り、価格が安くなっているのです。
■卵料理が売りの店「赤字ギリギリで…」

 卵をふんだんに使った料理が売りの東京・台東区にある店も、うれしさを隠し切れません。

リトルヤミー 結城良宏代表
「卵がないとオムライス専門店は何も商品出せないので。卵の価格が落ち着いてくれたのが本当にうれしい」

 平日で一日200個、土日には400個もの卵を使用するため、去年は例年と比べて月に8万円も卵の仕入れ代金が増加しました。

結城代表
「値上げどうしようと悩んだが、この値段でいけるとこまでは頑張ろうと思い、ずっと耐えてた。(赤字)ギリギリのラインでやってた」

 1年近く耐え続け、ようやく例年通りの仕入れ代金に落ち着いてきましたが、今月に入りまた別の値上げの波に頭を悩ませています

結城代表
「ここ最近上がってきたのが、トマト(の加工品)。トマトソース、ミートソース、カレーソースとハヤシソースにもめちゃくちゃトマトを使っている」

 去年、世界的な猛暑でトマトの不作となったことが影響し、トマトの加工品が値上がりしています。

 この店では、ケチャップライスのほか、ほとんどのソースにトマトの加工品を使用していて、一日の消費量はトマト缶10キロ、ケチャップ2キロに上ります。

結城代表
「卵(の仕入れ代金)が(月)8万円下がった。この前計算してみたら、トマト関連で(月)8万円上がってた。正直、プラスマイナスゼロ」

 次から次へと続く材料の値上がりに、不安は尽きません。

結城代表
「もう本当にどうしようという感じ。こっちが下がれば、こっちが上がると。これがまた何か続いてくのかなと思うと結構不安」

https://news.yahoo.co.jp/articles/b2ed293aced220ee8c1463322dd2060fb19b09ef