中国産や台湾産のウナギを「三河産」と偽って客に提供した疑いがあるとして、愛知県警が同県西尾市の料理店を不正競争防止法違反(原産地を誤認させる行為)の疑いで家宅捜索していたことがわかった。同市は国内有数のウナギの産地として知られ、この店のかば焼きはふるさと納税の返礼品として人気を集めていた。

 捜査関係者によると、20日に捜索を受けたのは「炭火職人 うなみ」(同市斉藤町)。看板などで「三河産鰻(うなぎ)使用店」と表示しながら、中国産や台湾産を提供した疑いがある。県警は押収した資料を解析するなどして実態解明を目指す。

 同店の男性経営者は26日に報道陣の取材に応じ、「2020年から外国産を使っていた」と産地偽装を認めた。理由については、店頭販売とふるさと納税の返礼品に必要なウナギの量が急増し、三河産の仕入れが追いつかなくなったためだと説明した。

 市によると、同店のかば焼きは人気返礼品で、22年度には計約4万件の寄付を集めた。市が受け付けたふるさと納税約13万件の約3分の1をこの店の商品が占めた。店側は返礼品は三河産を優先して使っていたとしているが、市は21日からこの返礼品への寄付受け付けを一時的に停止している。

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