HDMIの規格策定やライセンス管理を行う業界団体「HDMI Forum」が、AMDが求めていた「オープンソースドライバ開発プロジェクトに対するHDMI 2.1の仕様開示」を拒否しました。これにより、AMDのLinux向けドライバを含むオープンソースドライバでHDMI 2.1の各種機能を実装することが実質的に不可能となりました。

HDMI Forumはオープンソースコミュニティへの仕様開示を渋ることで知られており、過去にはAMDの画面同期技術「FreeSync」がLinuxで機能しないという問題も発生するなど、オープンソースドライバでHDMIの各種機能に対応するのが困難な状況が続いていました。

2020年12月にはAMDがオープンソースで開発しているLinux向けドライバのプロジェクトページに「HDMI 2.1対応ハードウェアを使っているが、4K・120Hzでの出力ができない」という問題が報告されたのですが、開発チームの一員であるAlex Deucher氏は「HDMI Forumがオープンソースコミュニティへの仕様開示を拒否しているのです」と回答し、対応が困難であることを明かしていました。

AMDはオープンソースドライバでのHDMI 2.1対応を実現するためにHDMI Forumに働きかけていたようですが、2024年2月29日にDeucher氏が「残念ながら、HDMI Forumは私たちの提案を拒否しました。現時点ではHDMI Forumの規則を守りながらオープンソースでHDMI 2.1に対応することは不可能です」と報告し、オープンソースドライバでのHDMI 2.1対応が実質的に不可能になったことを明らかにしました。

なお、HDMIに次いで広く用いられている映像インターフェース規格「DisplayPort」を策定するVESAはオープンソースコミュニティに対して柔軟な姿勢を取ることで知られており、オープンソースドライバでも4K・120Hzでの出力が可能です。

https://gigazine.net/news/20240229-hdmi-forum-reject-open-source-driver/