長良川漁業協同組合が岐阜市湊町に開設した管理釣り場から約3000匹のニジマスが流出した問題で、組合が今季の営業再開を断念する意向を国土交通省などに伝えたことがわかった。関係者によると、来年度以降も再開しない方針という。

管理釣り場は長良川 鵜飼うかい が行われない時期の新たな観光施設として2月1日に開設され、今季は今月31日までの営業を予定していた。

 運営を担う同市の釣り具メーカー「ジークラック」などによると、2月19日に雨で長良川が増水し、エリアを区切っていた網が破れたり、堤の一部で越水が起きたりした。その結果、産業上重要であるものの適切な管理が必要な「産業管理外来種」に指定されているニジマスの一部約3000匹が流出。20日から臨時休業し、国交省木曽川上流河川事務所長良川第一出張所が再発防止などを求める行政指導を行っていた。

 漁協は当初、網を修復するなどして営業再開を目指していたが、2月28日に国交省側に施設を撤去する方針を伝えた。漁協関係者は「活性化のためにやったつもりが迷惑をかけることになった。この場所でやることのハードルは高くなった」と来年度以降も管理釣り場を開設しない意向を示した。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240302-OYT1T50159/