中国国内では、X(旧Twitter)やインスタグラムなどにアクセスする時に、VPN(仮想プライベートネットワーク)を利用している。中国のSNSでは、当局の意に沿わない意見を投稿するとすぐアカウントをブロックされるか当局にマークされるため、自由な考えを発信するには、こうした場を利用するしかない。

中国の若者たちは不自由を感じていないのか。「白紙デモ」の熱気は本当に消えてなくなったのか。本当のところはどう思っているのか。北京の若者に人気の散歩スポットで聞いてみた。

「日本や韓国は、バラエティー番組で首相のモノマネができたり、ニュース番組の街録で政府をやゆしたりできる。中国でそれをやれば監獄行きだ」

「政府に抗議すれば、鎮圧されないわけがない。私たちは洞窟の中で暮らしているようなもの。自分の本当の気持ちと周囲の環境、政治状況をゆっくり擦り合わせる。自由をあきらめることも重要なのだ」

自由をあきらめるのも大事…。自分の気持ちに踏ん切りをつけるかのような声が強く、印象に残った。一方で、母国を去るという選択肢に、懐疑的な声もあった。

「他の国に行っても、何もかも100%共感してもらえるわけじゃない。簡単に『自分の国が悪い、他国の方が良い』と判断するのは、おかしい。意見を持ったり意見を伝えたりすることは重要だが、自分の国を恨んではいけない。自分の人生を犠牲にする必要はないよ」

確かに、中国から日本など海外に移り住んだとしても、故郷を離れる覚悟とは比にならないほどの困難も、待ち受けるだろう。

https://news.yahoo.co.jp/articles/868aedbd4097bd2812f5b1963ad60312f4890d82?page=3