重症障害児の専門病院、統合され廃止へ 「先進県の火を消さないで」

 滋賀県内唯一の小児専門病院として、重症心身障害児の医療を担ってきた県立小児保健医療センター(守山市)が来年1月、隣接する県立総合病院に統合される。統合後、県は小児病床の数を削減する方針だ。廃止されるセンターは、県内外の障害のある子どもたちの医療拠点の役割を果たしてきた。利用者から不安の声があがっている。

 小児保健医療センターは1957年に設立された「滋賀整肢園」を前身とし、88年に現在の場所に新築された。

 隣接する県立守山養護学校で学びながら入院でき、小児整形外科では全国有数の実績がある。県外からの患者も多く、障害のある子どもの難治・慢性疾患の高度専門医療を担ってきた。

 人工呼吸器などの機器が必要な患者が増え、病室が手狭になったことや、建物の老朽化に対応するため、県はセンターのあり方を検討。2017年度の計画で、新築移転し病床数は100床を維持するとした。

 だが、20年度の計画では「総合病院と一体で運用し、効率的な診療・看護体制が図れるよう再検討した」として68床に変更された。

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