プーチンがまたもや〈戦術核〉の脅し、西側の支援ためらわせウクライナを「蛇の生殺し」にする算段
漏洩した機密文書で判明、ロシアの戦術核の使用基準は公式ドクトリンよりも低かった
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/79716?page=3

中国による侵略第2波を阻止する演習も

 戦術核兵器使用を巡るドクトリンはロシアが通常戦力の均衡が自国に有利でないと判断した紛争で戦術核兵器を使用し、北大西洋条約機構(NATO)や敵国の通常戦力の優位を相殺することだ。しかし戦術核であれ大陸間の戦略核であれ、核兵器の使用には全面的な核戦争へのエスカレーションを含む莫大なリスクが伴う。

 現代の戦術核弾頭は1945年に長崎と広島に投下された核爆弾よりはるかに大きな破壊力を持つ。ウクライナ戦争でプーチンは西側の制裁を回避するため中国の習近平国家主席のジュニアパートナーとしての地位に甘んじている。しかし同紙によると、ロシア東部軍管区は中国の侵攻を想定した複数の演習を行っていた。

「総司令官によって核兵器を使用する命令が下された」――。フィナンシャル・タイムズ紙によると、中国による攻撃を想定した演習の1つでは「北方連邦(ロシア)」が「南方連邦(中国)」の侵略軍による第2波の攻撃を阻止するために戦術核攻撃で対応する可能性があると指摘している。

  海軍士官向けプレゼンテーションは、核攻撃の可能性があるより広範囲の基準について概説している。(1)敵がロシア領土に上陸した(2)国境地帯の警備を担当する部隊が敗れた(3)通常兵器による敵の攻撃が差し迫った――場合が含まれている。