中国の侵略を撃退するためにロシアがどのように核兵器を使用するかを、英紙フィナンシャル・タイムズのマックス・セドンとクリス・クックが明らかにした。
漏出した機密文書を基にしたこの興味深い報道は、力を取り戻した中国がロシアの東部領土の併合を試みるかもしれないと、ロシアが長年深く懸念してきたことを裏づけている。

アジア全域での中国の行動は、過去のささいな仕打ちや長年にわたる領土の喪失を中国がずっと覚えていることを示している。
領土拡大にこだわる中国の民族主義者らは、ロシアの軍事的弱点を中国がますます蔑むようになっていることと相まって、過去の敗北に対する憤りを利用して衰退したロシアに十分歯向かうことができる。
ロシアはこのことを知っており、中国の冒険主義を抑止するのにかなり苦心している。ロシア陸軍が過剰なまでにウクライナに注力しているにもかかわらず、ロシアは昨年、核弾頭の搭載が可能な弾道ミサイル「イスカンデル」の演習を「中国と国境を接する地域」で2回行った。
興味深いことに記事では、ロシアの核を用いて対応するシナリオを、中国軍がロシア領内に侵入した後、主に同軍を標的にする最後の自衛手段ととらえているようだ。これはひどい話だ。
このような想定は、欧州重視のロシア軍の幹部らが、アジア系のロシア市民がいるところで核兵器を使用することにほとんど良心の呵責を感じないことを示唆している。

中国が突然の領土強奪に動く素地は整っている。中国は長年にわたり、ロシアとの長い国境に関して恨みを鬱積させてきた。
多くの中国人の間では、太平洋側に位置するロシア極東地域最大の都市ウラジオストクはロシア名で知られていない。古くからの中国名が今でも広く使われている。
中国との経済的・文化的結びつきは無視できないものになりつつある。
https://forbesjapan.com/articles/detail/69480?read_more=1