アメリカ政府は6日、問題視する声もある劣化ウラン弾をウクライナに供与すると発表した。総額10億ドル(約1470億円)以上の新たな軍事・人道支援パッケージの一環。
アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官はこの日、ウクライナの首都キーウを訪問し、年内に、アメリカが提供する戦車「M1エイブラムス」で使用する120ミリ劣化ウラン弾を供与すると発表した。
ロシアはこの動きを非難している。
劣化ウランとは、核燃料の生成や軍事目的でウランを濃縮した際の残りを指す。とても重い金属のため、戦車の装甲に使われる一方で、装甲や鋼鉄を貫く目的で砲弾などに利用される。

劣化ウラン弾は衝撃で鋭利になり、装甲を貫通する能力がさらに高まる。また、接触時に発火する。
原子放射線の影響に関する国連科学委員会は、劣化ウランでの被曝で重大な中毒が引き起こされることはないとしている。一方で、同じ国連傘下の国際原子力機関(IAEA)は、劣化ウラン弾の破片を取り扱った場合に放射線を浴びる危険性があるとしている。

https://www.bbc.com/japanese/66737439