【プレスリリース】アザラシのギザギザの歯は、動物プランクトンを食べる割合と関連していた | 日本の研究.com
https://research-er.jp/articles/view/131742
総合研究大学院大学
研究概要
アザラシの歯を見たことはありますか?犬の犬歯のような円錐状の歯を持つ種もいれば、中には非常にユニークな、ギザギザが発達した櫛のような歯を持つ種がいます。では、円錐状の歯を持つ種と、ギザギザした歯を持つ種の違いは何なのでしょうか?ユニークなギザギザの形にはどのような役割があるのでしょうか?
本研究では、13種のアザラシの骨格標本を用いて歯の形態を定量化し、しばしば動物の歯の形態に影響を与える、食べ物との関連を調査しました。そして、動物プランクトンを食べる量が多い種ほど、歯のギザギザが発達していることを明らかにしました。これは、水中で小さい動物プランクトンを食べる上で、ギザギザした形態が機能的である可能性を示しています。
研究の成果
動物の歯の形態は、しばしば彼らの食べ物を反映しています。水中で餌を食べる哺乳類では、オキアミ(動物プランクトン)を大量に食べる、カニクイアザラシ(Lobodon carcinophaga)の例が良く知られています。カニクイアザラシは複雑なギザギザした歯を持っており、この歯の形態はオキアミを口内に留めたまま海水を排出する、篩の役割を担っていると考えられています。更に、最近の研究から、バイカルアザラシ(Pusa sibirica)という種も大量の動物プランクトンを捕食しており、彼らも特徴的なギザギザした歯を持つことが示されました。このように、多くの行動データや歯の見た目から、歯の形態と動物プランクトンの捕食の関連が示唆されてきましたが、その繫がりを定量的に示し、アザラシ全体での傾向を明らかにした研究はありませんでした。
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