学生を狙って、場所は大学の近くにしました。近隣に類似店はなく、狙いは大成功。腹ペコの運動部員を中心に人気を集め、連日行列ができるようになりました。

客単価900円で毎日200杯を売り上げ、1日の売上は18万円、1カ月では25日営業で450万円を売り上げました。

原価率は約40%、人件費や家賃を引いても月に約120万円が手元に残るようになりました。

3カ月後、大森さんの店の行列を遠くから眺めている人物がいました。かねてからラーメン屋で独立したいと考えていた目雅森(めがもり)さん(30歳、元レスリング部、体重100キロ)です。

■よく似たラーメン屋ばかりが増加
「大森の大盛」の繁盛を目にした目雅森さんは、「これからは二郎系がもっとはやるに違いない」と考え、退職して独立を決意。

決意からさらに3カ月後、エリアを少し離し、大森さんのラーメンによく似た「目雅森のメガ盛」を出店しました。

ブランド豚でチャーシューを作り、肉質にこだわったところ、こちらも行列ができるようになり、1日130杯を売り上げる人気店になりました。

月商は約300万円、利益は約80万円です。

大森さんの店は、新店オープンの影響で少し行列が減ったようです。

さらに3カ月後、居酒屋を経営している獏森(ばくもり)さん(32歳、元相撲部、体重120キロ)が目雅森さんの店を訪れました。

ラーメン屋経営に興味はありませんでしたが、行列を見て、「二郎系は儲かりそうだ」と考えました。獏森さんはさっそく居酒屋のスタッフにラーメンを試作させ、似た味を作ることに成功。

■ついに閉店に追い込まれる
決意からさらに3カ月後、2人の店から少し離れた場所に「獏森の爆盛」をオープンさせました。

製麺機を導入し、2人の店にはなかった自家製麺を提供したところ、評判は上々。1日100杯を売り上げるようになり、月商は約220万円、利益は約25万円となりました。大森さんと目雅森さんの店は、行列が減ってしまいました。

それから2年後、大森さんの店はすっかり行列がなくなり、ついに閉店に追い込まれました。https://news.livedoor.com/article/detail/26042448/

この事例では、ブルーオーシャンだった二郎系ラーメンは、あっという間にレッドオーシャンに変わってしまいました。どうしてこうなったのでしょう?