食べ放題の品目の中でも、原価10%の商品もあれば70%の商品もある。メインの焼肉の中でも塩牛タン、歩留まりにもよるがロース、カルビ、上ハラミなどは原価が高く、これらに集中すれば店は収益的に苦しい。特に希少部位である牛タンは上価格帯の食べ放題でしか入れられないのが現状である。

 高原価の肉ばかり食べられると原価が高騰するから、他の一品メニューに分散させて原価率の安定化に努める。ホルモン系統、キムチ、サラダ、わかめスープなどの低原価商品に誘導し、推奨販売させれば、標準原価である35%を維持でき、店も顧客も双方が満足する。

 食べ放題店は必ず複数のプランを用意しており、上・中・下の価格帯になっている。その中で、和牛や国産牛を入れた上位のプランは儲けが一段と違う。和牛などの霜降り肉は脂でしつこくなるから、量を食べられず、すぐにダウンしてしまうからだ。最初はピンク色の霜降り肉を見て、歓声を上げるが、実際に食べるとなるとそれは別である。すぐにあっさりとした原価の低いサラダやキムチなど一品メニューに移行してしまい、店としても単価は高く、原価も低いドル箱プランである。

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