紅麹(べにこうじ)は、米などの穀類にカビの一種の紅麹菌を繁殖させてつくる。鮮やかな紅色が特徴で、伝統的に、食用色素として広く使われてきた。沖縄の滋養食として親しまれている「豆腐よう」や紹興酒が代表的だ。

 近年は、健康食品の原材料としても注目が高まっていた。コレステロールを減らしたり血圧を低下させたりする作用のある成分が含まれているためだ。小林製薬は独自の発酵法による菌の大量培養に成功。紅麹をサプリメントや食品の原材料として、食品メーカーなど52社に原料として供給していた。

 ただ、紅麹菌の中には「シトリニン」というカビ毒をつくり、今回の問題と同様に、腎臓の病気を引き起こすものも存在する。欧州では紅麹に由来するサプリの摂取が原因と疑われる健康被害が報告され、欧州連合(EU)は食品に含まれるシトリニンの基準値を設定。スイスでは紅麹を含む食品の販売は禁止されている。

 小林製薬は、今回の健康被害の報告を受けて製品の成分分析を行った結果、シトリニンは検出されなかったとしている。一方で、「意図しない成分が含まれる可能性が判明した」とした。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/a28e424a738c260fb412956d63a25dc8b92876ad