米クレジットカード大手のビザとマスターカードは26日、加盟店に課す決済手数料の引き下げに同意したと発表した。加盟店との訴訟で和解し、引き下げで合意した。裁判所の承認を経て和解案は発効し、加盟店は5年間で約300億ドル(約4兆5000億円)を節減できる見通しだ。

小売店などは消費者がカード決済すると加盟店手数料を支払う。米国ではクレジットカードで2%程度とされる。手数料はビザやマスターカードなどブランド会社、加盟店管理会社、カード発行会社に配分される。

ビザやマスターのクレジットカードの手数料を巡っては、2005年に一部の加盟店が反トラスト法(独占禁止法)に抵触するとして集団訴訟を起こして以来、訴訟が繰り返されてきた。今回、新たに和解に至った。和解案は発効に向け、ニューヨーク州東部地区連邦地方裁判所の承認を得る必要がある。

加盟店側の代理人は、3年間にわたり手数料を少なくとも0.04%引き下げることに加え、5年間は手数料に上限を設けることで2社と合意したと明らかにした。
加盟店は手数料の高いカードの利用に料金を上乗せすることで手数料が低いカードに顧客を誘導することなども可能になる。
これらは最終判決が下される日までに加盟した米国の全店舗が対象となる。

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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN26D2L0W4A320C2000000/