道の駅から「おばあちゃんの味」が消える深刻事情 「いったいどうすれば」困惑する生産者たちの声

各地の道の駅や産直市などで売られる手作りの漬物が、存続の危機に瀕している。食品衛生法の改正に伴い、2024年6月以降は、
専用の加工場など衛生的な施設で製造した漬物しか販売できなくなるからだ。

各地の道の駅や直売所によると、やめる人はかなりの割合にのぼると思われ、地域で長年愛された味が危機を迎えている。実態を追った。

いったいどうすればいいのか…
「いったいどうすればいいのか困っています。長年喜んでもらってきた味を、できるだけ守り続けたいが……」
野村さんが作る古漬けは、1年物から6年物まであり、年数を重ねた漬物ほど味がまろやかになる。
店先には、野村さんが「この木樽で漬けないと、この味にならない」という年季の入った木製の大きな漬物樽がずらり。
植物性乳酸菌たっぷりの、昔ながらの製法にこだわった漬物だ。

手作り漬物代々受け継がれてきた野村さん家の古漬け(写真:筆者撮影)

岐路に立つ手作り漬物の販売
季節の無農薬野菜を使った漬物作りを父親から継承し、日曜市で販売し始めて40年近く。誇りを持って続けてきた漬物作りが、
岐路に立たされている。理由は、食品衛生法の改正だ。

漬物はこれまで、多くの都道府県で条例に基づく届け出をすれば販売できた。ところが、2021年に改正された食品衛生法の施行によって、
今年6月以降は、専用の加工場など国が定める衛生基準をクリアする設備で製造した漬物しか販売できなくなる。
https://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/business/toyokeizai-743455.html