2024年3月25日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が社会経済開発に関する指示リストを承認しました。この指示リストの中で、プーチン大統領はロシア企業に対してPlayStation 5やXbox Series X/Sと競合するようなゲーム機の生産を命じています。

ロシアの日刊全国紙であるKommersantの報道によると、ロシア政府が「据え置き型および携帯型ゲーム機の生産を組織する問題を検討する」という命令を下したとのこと。Kommersantに情報を提供した人物によると、ロシア最大のソーシャルネットワーキングサービスであるVKontakteがプロジェクトの主な責任者となり、ゲーム機の製造はロシア最大のセットトップボックス開発会社であるGS Groupが担当することとなるそうです。

この命令の一環として、VKontakteとGS Groupは2024年6月15日までにロシアの一般消費者向けに家庭用ゲーム機および携帯ゲーム機の両方を生産する責任を負うこととなる模様。

なお、今回の命令の追加措置として、VKontakteとGS Groupに対して「ゲームやプログラムをユーザーに配信するためのオペレーティングシステムとクラウドシステムの作成」という任務も課せられています。

ゲーム業界への進出をロシアが目論むのは今回が初めてのことではありません。ロシアは2022年に同国によるウクライナ侵攻の影響でゲームエンジン開発のEpic GamesやUnity Technologiesがロシアとの取引を停止することに備えて、独自のゲームエンジンを開発するのではと報じられました。さらに、2023年にはマインクラフト関連のコミュニティにロシアの工作員が「侵入」しようと試みていたことも明らかになっています。

ロシアのウクライナ侵攻以来、ゲーム業界の大多数がロシアとの関係を断絶しているため、ロシア政府は自国のゲーム産業を復興すべく精力的に取り組みを進めています。

VKontakteとGS Groupに対して下されたゲーム機開発命令の期限は2024年6月15日に設定されているため、海外ゲームメディアのKotakuは「数か月以内にこれを実現することは不可能」と言及。また、Kommersantでも業界アナリストが「独自のPlayStationやXboxを製造する能力はロシアになく、そのようなシステムをゼロから作り出すには最大10年の時間がかかるでしょう」とコメントしています。

https://gigazine.net/news/20240405-putin-wants-russia-make-playstation-xbox-competitor/