タクシー運転手は過酷な労働環境で働いている。長時間労働と低賃金。十分な休日もない。にもかかわらず、彼らの社会的地位は決して高いとはいえない。インターネット上では、この職業を軽蔑する声さえ見受けられる。

そうした差別意識を端的に表す言葉のひとつが

「雲助(くもすけ)」

である。最近ではあまり聞かなくなったが、かつてタクシー運転手をさげすむ意味で使われていた。いわずもがなテレビでは「放送禁止用語」である。東京の40代タクシー運転手は、こう振り返る。

タクシーに乗り始めたばかりで、東京をどう回ればいいのかわからない新人の頃でした。六本木で乗せたブランド物に身を包んだ成り上がり風の若者、銀座で乗せた定年を迎えたであろう老人。若者は意味もなく不機嫌で、タメ口。老人は、道を知らない私に対して、やたらと命令口調で、上から目線でした。ふたりとも「運転しかできないからタクシー運転手になったんだろ。道くらい知っておけよ、雲助のくせに」的なことを言っていましたね。あと、私の職歴や過去を知りたがっていたのも印象的でした」

 もともと雲助とは、江戸時代に街道で駕籠(かご)を担いだり荷物を運搬したりする人足(労働者)を指す言葉だった。歴史家・田村栄太郎の著作『一揆・雲助・博徒』(1972年)から引用する。

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4/13(土) 6:11配信 Merkmal
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