ウクライナ軍の総司令官オレクサンドル・シルスキー将軍は13日、東部戦線の状況がここ数日で「非常に悪化した」と述べた。東部ドンバス地方では現在、いくつかの村で激戦が続いている。
シルスキー総司令官は13日にソーシャルメディアを更新。気候が暖かくなり、戦車を進めやすくなったため、ロシアが戦術的な戦果を上げていると述べた。
また、ロシアが装甲車による攻撃を激化させたため、東部戦線の状況が悪化していると説明した。
ウクライナ東部では現在、破壊されたバフムートの西側にあるボフダニウカ村をめぐる戦闘が激化しているという。

ロシアは今年2月にアウディイウカを占領した後、ウクライナが維持しているチャシウ・ヤルに狙いを定めている。ボフダニウカは、チャシウ・ヤルから北東数キロのところにある。
ウクライナ高官は、西側諸国、特にアメリカからの軍事支援が停滞した結果、ウクライナは空からの攻撃を受けやすくなり、戦場でも武器の数で大きく劣るようになったと述べている。
米連邦下院のマイク・ジョンソン議長(共和党)は、ウクライナの防衛に尽力すると繰り返し表明したにもかかわらず、新たな軍事支援法案を議会に提出していない。民主党が過半数を占める上院は今年2月、ウクライナへの600億ドルの援助を含む新たな資金を可決したが、下院の共和党保守派は国境警備のための資金が含まれていないとして法案に反対した。
シルスキー総司令官は、新たな援助と高度な武器がなければ、ウクライナは数で勝るロシア軍から「戦略的イニシアチブを奪う」ことができないだろうと述べた。

https://www.bbc.com/japanese/articles/cydr355r664o