目を覆いたくなる女性差別の連続
 序盤から辛らつな声があがっている1つ目の原因は、振り切ったフェミニズム。ここまでの物語は、まさに女性の解放、性差別の解消、権利の向上などフェミニズムそのものであり、主人公・猪爪寅子(伊藤沙莉)の人生を描く一代記よりも優先されている。

 物語は寅子が母・はる(石田ゆり子)から結婚を強いられ、「女性は子どもを産んで家庭を守るべき」という風潮に疑問を抱くところからスタート。当時の法律で「婚姻状態にある女性は無能力者」とされることに納得がいかず、弁護士を目指して明律大学女子部法科に入学するも、女性に弁護士資格を認める法改正が延期になってしまう。
また、15日放送の第11話では、法廷劇の準備、後輩の世話、女子部の待遇改善を求めて大学側と交渉、有志で行う傍聴会で多忙を極める中、「寅子はお月のもの、つまり月経が少々人より重めでした」「大学を休んで4日がたっていました」というナレーションが入った。

虎に翼』は昭和初期の物語とは言え、男女の分断を招くような描き方が続き、Xには「差別のシーンが露骨すぎる」「朝から説教臭い」などの否定的な声が少なくない。
18日の『あさイチ』冒頭の“朝ドラ受け”で博多大吉が、「そろそろ“いい男”出てきてほしいな。毎回この終わり方だと私の謝罪からはじまらないと……」とぼやいていた。令和の今を生きる男性たちは「極端な男尊女卑のムードや、男性が悪者として描かれる物語をどう見たらいいのか」とモヤモヤしているニュアンスが伝わってくる。
Xの検索で「寅に翼」と入力すると、「反省会」「つまらない」に続く3番目に「フェミ」という予測変換ワードが表示された。ネット界隈では、Twitter(現X)上でフェミニズムなコメントを盛んに書き込む「ツイフェミ」(ツイッター・フェミニズムなどの略)という言葉があり、日々さまざまな話題に「男尊女卑だ」「女性差別だ」などのコメントが書き込まれ、賛否の声があがっている。
言わば『虎に翼』は現在のネット上におけるフェミ論争に巻き込まれるリスクがあり、すでに「フェミをこじらせた痛い主人公」というニュアンスの書き込みも出はじめている。少なくとも、昭和初期の物語とわかっていながらも、令和の感覚で辛らつなコメントを浴びせる人がいるのは確かだ


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