乳児に鎮静剤ではなく名前が似た違う薬を投与 口の炎症や皮膚のやけどで入院 滋賀の市立病院

滋賀県の近江八幡市立総合医療センターは25日、当時生後6か月未満だった乳児に対し、本来投与すべき薬とは違う薬を投与する医療ミスがあったと発表しました。乳児は一時入院しましたが、現在は回復していて命に別条はないということです。

近江八幡市立総合医療センターによりますと、先月、近江八幡市内に住む生後6か月未満の乳児が聴力検査のため耳鼻咽腔科を受診した際、本来であれば検査前に「トリクロリールシロップ」という鎮静剤を投与すべきところ、いぼの治療などで使用する「80%トリクロロ酢酸液」を准看護師が誤って投与しました。准看護師は、名前が似ていることから誤って投与した可能性があるということです。

 乳児は帰宅後、いびきがひどく口の中に炎症を起こしていたことから、保護者が再度乳児を受診させました。乳児は10日間にわたり入院しましたが、すでに回復し、退院しているということです。また、あごの皮膚をやけどして赤く痕が残り、経過観察するとしています。

 准看護師は30年以上、この病院に勤務するベテランでしたが、すぐに担当医らに伝えず、初期治療が遅れたということで「確認が不十分だった。子どもさんに非常につらい思いをさせて、お父さんお母さんについても申し訳なく思っている」と話しているということです。

■「知っておくべき医薬品の名称など知識が不十分だった」

病院の院長らは25日午後に記者会見を開き、「このような事例はあってはならないこと。知っておくべき医薬品の名称など知識が不十分だったことから起こったことで、直ちに対処できなかった現場の対応が非常に悪かった」と釈明しました。

 病院側は乳児の家族に謝罪した上で「事故の発生原因・要因の分析・検証を行っている」と説明し、酢酸液を外来で管理せずに薬剤部で管理するなどの措置をとったほか、今後、名前が似た薬剤の誤投与を防ぐ策や職員への研修会を実施するとしています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/fe742dd149e0a1dc99b86f188a6c7888c41c96d8