朝日新聞デジタル記事
ピアニストのフジコ・ヘミングさん死去 「ラ・カンパネラ」で旋風
編集委員・吉田純子2024年5月2日 7時00分

 テレビのドキュメンタリー番組で人気に火が付き、リストの難曲「ラ・カンパネラ」の演奏などで社会現象を巻き起こしたピアニストのフジコ・ヘミングさん(本名ゲオルギー・ヘミング・イングリット・フジコ)が4月21日、膵臓(すいぞう)がんで亡くなった。92歳だった。葬儀は近親者で営んだ。後日、お別れの会が開かれる予定。

 スウェーデン人建築家の父と日本人ピアニストの母のもと、ベルリンで生まれた。東京で育ち、母の手ほどきでピアノを始めた。

 東京芸大卒業後、28歳でドイツに留学。欧州各地を移住しながら演奏家としてのキャリアを築くさなか、風邪をこじらせて聴力を失った。その後、左耳の聴力を一部回復し、95年に帰国した。

 99年、波乱の人生を紹介したNHKの番組「フジコ~あるピアニストの軌跡~」が反響を呼び、同年8月に発売されたデビューアルバム「奇蹟(きせき)のカンパネラ」が、クラシック音楽のCDとしては異例の売り上げを記録した。



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