バフェット氏投資会社、アップル株追加売却 13%相当
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【オマハ(ネブラスカ州)=竹内弘文】著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが2024年1~3月期に米アップル株を13%程度売却したことが4日わかった。アップルはバークシャー保有株の4割を占める。前の四半期に続く売却は、アップル株を「宝」と表していたバフェット氏の評価が変わった可能性を示唆する。

バークシャーが4日発表した1~3月期に四半期報告書で、3月末時点のアップル株の保有時価が1354億ドル(約20兆7000億円)と23年末時点から22%減ったことを開示した。1~3月期にアップル株価は10.9%下落していたことを考慮すると、期中に13%程度売却した計算となる。

バークシャーは23年10~12月期にもアップル株の保有株式を1%あまり減らしたばかり。株高が進んでいた当時の売却は利益確定の動きとみられていた。

アップルは24年始めから株価が軟調だった。スマートフォン「iPhone」の中国での販売が振るわず、人工知能(AI)関連の投資・事業展開でも他のIT(情報技術)大手に出遅れているとの見方が株式市場では出ていた。

バフェット氏は銘柄選別の際、簡単にマネできない競争優位性を重視する。20年の「株主への手紙」でアップル株について、損害保険事業などと並んでバークシャーが持つ「宝」と称賛していた。圧倒的なブランド力や現金創出力、株主還元を評価していた。

iPhoneが中国市場でのシェアを落とすなか、バフェット氏のアップル株に対する見方が変わった可能性がある。4日開催の株主総会での発言が注目される。

バークシャーの1~3月期の株式売買動向は172億8100万ドルの売り越しとなった。アップル株の売却が中心とみられる。現預金と米短期債保有額を合計した広義の手元資金は3月末に1889億9300万ドルと23年末比13%増え、過去最高を更新した。

1~3月期の純利益は前年同期比64%減の127億ドルだった。米国会計基準では保有上場株の評価損益を最終損益に反映する必要がある。