珍しく妻(43歳)からスマホに着信があった。

「お風呂の入り方が分からないー! 入れないー!」
出ると、妻が泣き叫んでいる。びっくりした設楽さんが何を言っても、妻はただ泣き叫ぶだけで話にならない。
「すぐ帰る!」
そう告げて電話を切り、家にいるはずの高3の息子にすぐかけ直した。電話に出た息子に、今家で何が起こっているのかをたずねる。
「裸のママが俺の部屋の戸を叩いて、『シャワーが分からない! お風呂が入れない!』と泣き叫んで暴れてる」
こう説明されると、これまで経験したことのない悪寒と恐怖が、設楽さんの体をガタガタと震えさせ始めた。


診察室で医師は、脳のCT画像を示しながら言った。
「脳出血です。右の瞳孔はすでに散大しており、左も開けば助からないでしょう。手術もかなりリスクが高いです。
今手術しても、かなり重い障害が残る可能性が高いでしょう」


「妻をこのまま逝かせてあげられませんか?」
瞬間、医師は目を見開き、そのあとはどう返答するべきか迷っている様子だった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/331ba76b2df07e79a2305f2e67b3d176b1a96081