陸上自衛隊は3日、精鋭の隊員であるレンジャーを新たに養成する訓練を一部の部隊をのぞき当面中止にする、と発表した。

ドローンなど最新技術を駆使する現代戦へ対応できる教育プログラムの作成と、訓練中の死亡事故が相次ぐなど安全管理を見直すことが理由という。

 レンジャーは敵地に潜入して困難な任務を行うことを想定し、訓練期間は約3カ月に及ぶ。自衛隊内で「最も過酷な訓練」とされ、自衛隊関係者によると1日1食に制限された中での不眠不休での行動や、山中に潜みながら植物を見分けて食べる訓練も受けるという。

ただ、2021年9月、陸自第8師団(熊本市)所属の30代の男性隊員がレンジャー訓練中に重度の熱中症にかかり死亡。24年8月には陸自福知山駐屯地(京都府福知山市)でレンジャー教育を受けていた20代の男性隊員が体調不良を訴えて亡くなるなど事故が続いていた。