『田原坂の戦い』などで命を落とした政府軍の兵士らが埋葬されている、熊本市北区植木町にある熊本県指定史跡『七本官軍墓地』が、何者かによって荒らされていたことが分かった。現場では墓石が壊されたり倒されたりしていて、熊本市は警察に被害届を提出したという。
墓石が折られたり傾いたりする被害
1877(明治10)年の西南戦争で、命を落とした政府軍の兵士などが埋葬されている『七本官軍墓地』。入り口近くで墓石が複数折れてしまっていた。
熊本市文化財課によりますと、4月2日午後3時ごろ、墓地を管理する北区土木センターの職員が、計5つの墓石が折れたり傾いたりしているのを発見したという。
現場の状況などから、小動物などではなく、何者かによって壊された可能性が高いとみられている。
近くに住む人は「本当、残念ですね。亡くなられた方、遺族の方に本当に申し訳ない」と話した。
七本官軍墓地ではこれまでにも7回被害
2025年3月17日に職員が訪れた際には、異常はなかったという。熊本市は警察に被害届を提出、今後、県に『文化財き損届』を提出する方針。
熊本市によると、『七本官軍墓地』では記録が残る中でこれまでも7回、墓石が倒れる被害が出ているが、いずれも原因は特定できていないという。