髙橋洋一著書籍「中国GDPの大嘘」について
金森 俊樹
2016.10.27
1.私(金森俊樹)は、標記の書籍(発行日2016年4月20日、講談社発行、以下、「書籍」)中に、私が2016年2月2日から3月2日、本幻冬舎ゴールドオンラインに連載した「緊急レポート『減速』中国経済の実態を探る」(以下、「連載記事」)の一部と、引用元の記載なく、著しく酷似している部分があることを認識しました。
2.具体的には以下の部分です。
(1)書籍「中国データの矛盾点」(42頁)3段落目、「図表3に示す国家統計局と人力資源社会保障部が、、、、実態を表しているとは思えない数値だ。」との記載とともに、「図表3 中国の失業率」が記載されている部分。当該部分は、連載記事「中国の『公式失業率』はなぜまったく動かないのか?」(2016年2月26日掲載)の一部とほぼ同じ内容を、若干記述を変えて利用しており、かつ連載記事の「図表1 失業率推移」をそのまま掲載している。なお、連載記事の「図表1」は、図表下に記載した(出所)を主要文献とし、他のデータも利用して、私が独自に作成したもの。
(2)書籍「地方GDPの合計額の不思議」(55頁、56頁)の記述部分は、「図表5 中国の全国GDPと地方GDPの乖離」も含め、連載記事「中国の全国GDPと地方GDPの『かい離』をどう見るか?」(2016年2月25日掲載)の3分の1ほどの記述を、ほぼそのまま利用し、かつ「図表 全国GDPと各地方GDPのかい離」と同一の図表を掲載している。なお、当該図表は、図表下に記載した(出所)を主要文献とし、他のデータも利用して、私が独自に作成したもの。
(3)書籍「不動産投資だけに依存する経済」(86頁、87頁)の記述部分は、連載記事「成長がいまだ『不動産投資』に大きく依存する中国経済の実情」(2016年2月4日掲載)の全体を、一部省略した形で利用している。
(4)上記以外の部分にも、書籍には連載記事と同一の記載が散見され、また書籍86頁から始まる「不動産投資だけに依存する経済」「積みあがった地方政府の借金は」などの一連の話の運びは、連載記事と同じである。
3.このため、2016年7月22日付書簡にて、書籍発行元である講談社に対し、上記2を指摘した上で、事実関係の調査申し入れを行いました。その後の講談社との一連の書簡のやり取り(計4回)、および、講談社との直接面談(2016年10月12日)を通じて示された講談社の説明は以下の通りです。
「著者である髙橋洋一氏が、中国経済についてはあまり明るくないということであったので、指摘された部分はみな、講談社のデータマンが連載記事を見て用意した。その際、データマンが引用元を明記することを怠った。したがって、この責任は著者ではなく、講談社にある。」
「デジタル版については9月に修正し、引用元を明記した。今後、仮に書籍を増刷する場合には、デジタル版と同様の修正を行う。」
※以下ソース※
https://gentosha-go.com/articles/-/5870 >著者である髙橋洋一氏が、中国経済についてはあまり明るくないということであったので、指摘された部分はみな、講談社のデータマンが連載記事を見て用意した。