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なぜ入場券と乗車券を
セット販売しなかったのか?

 13日の朝日新聞電子版は桜島駅の混乱について「JR桜島駅前では午前8時すぎ、女性(51)がスタッフに『予約不要って書いてましたよね』と詰め寄っていた。バスに乗れなかったようだ」、産経新聞電子版は「京都市内の男性(59)は『桜島駅のシャトルバスは予約なしで乗れると聞いて来たのになぜ乗れないのか。交通手段がわかりにくい』と憤慨していた」などと伝えている。

万博協会の「駅シャトルバス利用の手引き」を見ると、「駅シャトルバスは、桜島駅を発着するバスを除き、全便事前予約制」として、桜島駅発着のものは「8時台から10時台の来場が多い時間帯は、基本5分間隔で運行しており、この時間帯は事前決済した方は優先してご乗車いただけます」と記している。

 優先乗車とある以上、予約をしておいた方が確実と判断すべきとの指摘もあるだろうが、一方で優先者以外は乗れないとも明記されていない。筆者も予約必須だと知らず、考えなしに行くつもりだったので慌てて調べた。すると、万博のオンラインチケットストアではなく「関西MaaS」を利用する必要があることが分かった。

 これは「国内初の鉄道事業者連携による広域型MaaSアプリ」として2023年にリリースされたスマートフォンアプリで、「阪急・JR西日本京都2wayパス」「大阪スマートアクセスパス」など、JR・私鉄・地下鉄が利用できるデジタルチケットを発売している。

 万博のシャトルバス乗車券は関西MaaSのデジタルチケットのひとつとして発売されるため、このアプリのインストール、アカウント作成、クレジットカード登録が必要なのに加え、チケット一覧から万博カテゴリを選択し、それぞれのバスを選択しなければならないのは手間に感じた。
 これらを万博オンラインチケットストアに一本化し、西ゲート入場券とセットで販売できなかったのだろうか。全てのチケットを一体化しなくても、そのようなセット券を選択しとして提示しておけば予約が必要(推奨)と伝わったはずだ。