
3月の訪日ロシア人旅行者 1万8000人余 月ごとの統計で最多に
2025年5月4日 20時33分
ことし3月、日本を訪れたロシア人旅行者は1万8000人余りと、月ごとの統計でこれまでで最も多くなったことがわかり、ビザ手続きの簡素化やロシアと中国を結ぶ航空便の増加が背景にあると指摘されています。
日本政府観光局のまとめによりますと、3月に日本を訪れたロシア人旅行者は推計で去年の同月を77.7%上回る1万8800人でした。
月ごとではこれまで最も多かった去年10月の1万5701人を上回って最多となりました。
また、1月から3月までの累計は推計で2万9400人と、こちらも過去最多だった2019年を上回っています。
ロシアの有力紙イズベスチヤは去年11月、大手予約サイトを通じたことしの春から夏にかけての日本の宿泊施設の予約が、前年の5倍に増えたと伝えています。
モスクワの日本大使館には長い列
モスクワにある日本大使館の周りには、日本に渡航するためのビザを申請する人たちの長い列ができています。
ロシア人が日本に入国するにはビザが必要で、日本大使館によりますと、大使館がことし3月に発給したビザは、およそ1万2000件に上り、1か月の発給数としては過去最多となりました。このうち観光目的がおよそ9割を占めているということです。
日本のビザは申請から4日で無料で受け取ることができるほか、去年11月からは宿泊先のホテルの支払い証明書を提出する必要がなくなるなど、手続きが簡素化されました。
ビザの申請のために並んでいた男性は「小さいころから日本の文化に興味があり、自分の目で日本を見るのが長年の夢でした」と話していました。
また、「申請のための手数料がなく、ヨーロッパに比べて提出書類も少なく、日本に行く方が楽です」とか「ヨーロッパでは、あまり受け入れてもらえません」などと、ヨーロッパ各国に比べて日本の方が訪れやすいと指摘する人もいました。
ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、現在、日本とロシアを結ぶ直行便はありませんが、大使館の前に並んでいた人たちは、日本には中国の北京経由で訪れると明らかにしていました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250504/k10014796881000.html