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２歳娘の「肛門付近の傷」は異物挿入か？日常生活でできた傷か？傷害致死などに問われている“今西事件” 二審で異例の医師尋問行われる
6年前当時2歳の娘に暴行を加えて死亡させた罪などに問われ一審で実刑判決を受けた父親の控訴審の第二回弁論が15日開かれました娘の肛門付近の傷に関する強制わいせつ致傷について医師3人の証人尋問が行われました
今西貴大被告(34)は2017年12月大阪市東淀川区の自宅で当時2歳4か月の義理の娘・希愛ちゃんの頭部に何らかの暴行を加え死亡させたなどとして検察に起訴されています
今西被告は傷害致死罪で起訴された後に一度は保釈されたものの異例の再逮捕を経て希愛ちゃんの肛門付近にあった傷に対する強制わいせつ致傷罪約1カ月前の左足の骨折に対する傷害罪で大阪地検に追起訴されました今西被告は一貫して否認を続けています
■「脳の損傷は強い外力がないと生じない」一審は“懲役12年"
一審の大阪地方裁判所は2021年「損傷は脳の深い部分脳幹を含んでおり強い外力がないと生じない」と傷害致死罪を認定
また「(肛門付近の)傷の大きさから痛みは大きかったはずで『自然排便でできた』とする弁護側の説明は納得し難い」として強制わいせつ致傷罪も認定しました
一方で足の骨を折ったとする傷害罪については「親が目を離した際に事故で骨折していた可能性がある」として無罪としましたが今西被告に懲役12年の実刑判決を言い渡しました今西被告側は控訴しことし5月から控訴審が始まっています
■肛門付近に約1センチの傷・・・争点は“異物挿入"か“日常生活でできた傷"か
控訴審が始まり最初に審理されたのは「強制わいせつ致傷罪」について
希愛ちゃんの肛門付近には時計の12時の方向に約1センチの傷がありました検察はこの傷を「異物を挿入しわいせつな行為をした」結果できたものとしています
一方で今西被告の弁護側は「傷は肛門の縁から時計の12時方向にまっすぐ伸びていて自然排便などで皮膚が荒れていて軽い力でも生じる傷だ」とした上で希愛ちゃんには1カ所しか傷がなかったことを指摘し「異物を挿入すれば肛門周辺や肛門内の複数カ所に傷ができるはずで矛盾している」と主張しています
■弁護側医師「足を開くなどの軽い力でできた」
証拠は希愛ちゃんが救急搬送された病院の医師が撮影した傷の写真とカルテのみ実際にカルテを書いた医師は一度も法廷で証言しておらず証拠が限られる中で肛門付近の傷が何によってできたのか検察側の医師2人と弁護側の医師1人が法廷で証言しました
弁護側の証人として出廷した医師は「希愛ちゃんの肛門周辺の皮膚は荒れ乾燥もしている」としたうえでオムツかぶれやウェットティッシュで肛門を拭きすぎたことなどにより「慢性的な炎症を繰り返した結果足を開くなどの軽い力でひび割れを起こした」と指摘また「異物を挿入された場合は肛門の内部や直腸の粘膜などに複数の傷ができるが傷はない異物挿入によるものではない」と証言しました
■検察側医師「強い力で左右に引っ張られた」
一方で検察側の医師のうち1人の医師は「陰部の皮膚に対してある程度持続的に強い力が加わり皮膚に亀裂が生じた」と指摘もう1人の医師は「傷は深くかなり強い力で左右に引っ張られて皮膚が裂けた」として「その意図を検討したときに異物挿入が腑に落ちる」として検察側の主張を支える見解を述べました
■傍聴席は満員今西被告は公判後「医師の尋問を聞いてしっくりきた」
6月15日午前10時から始まる今回の裁判を傍聴しようと大阪高裁の大法廷の前には30分以上前から数十人の人が並び傍聴席は満席になりました
裁判が始まり上下黒のスーツでメモ資料と思われるファイルを数冊抱えて法廷に現れた今西被告は長時間行われた医師の証人尋問を真剣な様子で聞いていました
裁判が終わった後今西被告は「まったくいわれのないことをやったと言われてしまって被告人席に座っていることはとてもつらいです一審の時から自然な外力が原因ではないかと言われていたが弁護側の医師の尋問を聞いてより詳しくそのことが分かり自分の中でもしっくりきました」とコメントしています
■弁護団「異物挿入証明されていない」
公判終了後主任弁護人の川﨑拓也弁護士は「検察側は“異物挿入で間違いない"という立証をしなければならない」と検察の立証責任について言及したうえで「いくら(カルテを)解釈しても異物挿入があったことにはならない裁判官には“異物挿入"がちゃんと証明されているのか考えてほしい」と話しました
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