https://news.yahoo.co.jp/articles/7d9c107878d46977578fbe3c7e1b45a7f3f0d0ea?page=2

■格差は成長どころか経済を鈍化させる

 でも、私たち米国人が学んだことは、その逆でした。高レベルの格差は経済成長にとって必須のものなどではなく、成長をむしばむものだったのです。格差が大きくなれば消費も鈍化し、経済停滞を助長します。

 ――小泉純一郎元首相がさまざまな点で規制緩和を進めたことで、格差が拡大しました。つまり、日本経済にマイナスだったということですか。

 一つひとつ政策を吟味しなければなりませんが、ひと言で言えば、「イエス」です。彼の政策が日本の長期的成長の礎を築いたとは思いません。それ以上のことは、各政策の詳細を見直さなければなりませんが。

 格差拡大については、労働市場の規制緩和が1つの要因だと思います。ただ、それが唯一の要因ではありません。(高齢化という)人口統計上の変化や経済成長の鈍化もあります。しっかりした年金制度に守られた年長者と、そうでない若者など、別の形の格差もあるため、小泉元首相だけを非難するのは公正さに欠けます。