つるのおんがえし(7月24日)
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7/24(日) 10:35
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福島民報

 遠近法は絵画に立体感や遠近感を表現するのに用いられる。鏡石町では、その技法を巧みに使い、田んぼという画布に遠くのものは大きく描く。斜め上から見渡すと、バランスの取れた巨大で見事な絵が視界に飛び込んでくる▼「かがみいし田んぼアート」は、隣接する町図書館の「窓から眺める絵本」として童話や童謡から絵柄を選ぶ。今年の「つるのおんがえし」は見頃を迎えている。緑、紫、黄など六色十種類の稲で鮮やかに昔話を紡ぎ、展望室には町内外から観覧者が次々に訪れる▼田んぼアートには、岩瀬農高生や多くの町民が関わり、さまざまな作業に当たる。遠近法に基づく造形には複雑な測量が求められ、卒業生の測量士が惜しみなく協力する。生徒は種もみから苗を育て、手作業で植える。稲は成長の早さが異なるため、形が崩れないように稲の抜き差しや雑草取りが欠かせない▼この地で二十八日、全国田んぼアートサミットが開かれ、県内外の関係者が集う。絵柄に込められた東日本大震災からの復興支援への感謝を示す絶好の機会になる。田んぼアートが郷土を彩り、今年で十周年。携わる町民、観覧者が織りなす物語は、これからも続く。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3d3df32944be9075e3a7fa3097a6aad7bcb93318