このアジサイ、日本では「紫陽花」と書くが、中国語では「繍球花(しゅうきゅうか)」と呼ばれる。刺繍(ししゅう)した手まりの意味だ。

「紫陽花」の由来は、唐代の詩人である白居易(Bai Juyi)の詩。この詩を日本に紹介した平安時代中期の歌人、学者である源順(みなもとのしたごう)が、白居易の詩の「紫陽花」をアジサイだと思い込み、アジサイに「紫陽花」という漢字を当てたことから日本では間違ったまま定着したといわれる。

 白居易は「誰も名を知らない花。君に紫陽花という名を差し上げよう(雖在人間人不識/与君名作紫陽花)」と詠んだのだが、果たしてその花が何だったかは判明していない。

 伝言ゲームのように中国から日本に伝わってくる間に、異なる意味になってしまった漢字はまだある。「鮎」は日本ではアユのことだが、中国でこう書くとナマズを意味する。ナマズは1か所にとどまって場所を占拠するから魚偏に占で「鮎」と書く。それが日本に伝わってくる間にアユを指すように変わったというのが定説だ。ちなみに中国でアユは「香魚」と書く。

https://www.afpbb.com/articles/-/3459318?act=all