「ピアノをやりたい」せがむ娘に母苦悩 政治が議論避ける少子化対策の行方【#あなたの衆院選】

「ピアノをやりたい」。東京都足立区の女性(34)は昨年、幼稚園に通う長女からせがまれて、返事に困った。
長女の友だちは体操やピアノなどの習い事をする子が多いが、女性の家庭は家計が厳しく、月謝を支払う余裕がない。
「コロナの感染が落ち着くまで待って」。その場をやり過ごすしかなかった。

コロナ禍、子育て世帯の困窮が深刻化

女性は自営業の夫、中学2年の長男、長女と4人暮らし。新型コロナウイルスの感染拡大で繰り返された緊急事態宣言のあおりで、夫は仕事が減った。
手取りは月約40万円から半減し、女性のアルバイト収入を足しても家計は赤字。政府の無利子融資事業で200万円を借りてしのいだ。

女性は「せめて勉強だけはさせたい」と長女の学習塾の費用は捻出した。今後、融資の返済を考えると、子育て費用は重い負担だ。
毎月支給される子ども2人分の児童手当2万円は、長男が中学を卒業すれば1万円に減る。女性は「国がもう少し子育てに優しくしてくれたらいいのに」と望む。

昨年始まったコロナ禍は子育て世帯を直撃した。収入が断たれたり激減したりして、食事に不自由する親子も増えている。
子どもの学習支援をするNPO法人「キッズドア」(東京都中央区)は今夏、全国の困窮家庭約2000世帯に食料品を無償で送った。

はがきを同封すると、数百人の子どもや親から返信があった。「これで、おなかいっぱいたべられます」「(普段は)お肉やお魚は子どものために買いますが
(親の)自分の分はいいということが多いので、いただいた物は一緒に食べたいと思います」

いかそ
https://news.yahoo.co.jp/articles/fe327c5a3ec7bb9dcc2f7d14020e8431c722887e